現代の情報源
みなさんは普段、どんな情報源に接しているのだろうか?
日経新聞電子版は4200円する。無料で様々な情報に触れられる中で、日経新聞のこの金額は比較的高額のように感じる。一方で、日経新聞は、広く社会人に読まれている、特にビジネスパーソンに広く読まれている(読まれていそうな)ことを考えると、価値があるのかもしれない。
つまり、教養というものが、多くの人が共通認識を持っている事柄について知っている、ということを指すのであれば、日経新聞は唯一の教養のように思う。
要するに、日経新聞の価値の源泉は、その情報の質そのものにあるわけではなく、ビジネスパーソンの多くが読んでいそうであって、日経新聞を読んでいないことは恥ずかしいことであるという認知が一定程度あり、日経新聞を読んでいない人に対してちょっとした劣等感を感じさせていることなのではないか。
もちろん、情報の質も、最低ラインは上回っていることも重要な競争力の源泉の一つである。ただ、深い考察やあっと驚くような記事があるわけではない。
以上より、日経新聞の価値は、ビジネスパーソンに広く読まれていて、最低限以上の記事の選別、最低限以上のファクトチェックが行われていることだと考える。
高城 剛は新聞について、こう語っている。
▽Q.13▼▽
最近、英語の勉強も兼ねてウォールストリートジャーナルを読み始めたの ですが、この新聞は世界を俯瞰的に理解できる新聞でしょうか?
また、高城さんでしたら、英語の勉強も兼ねて世界情勢を知り自身なりの見識を持つためには どの新聞を読みますでしょうか?
【 A 】
僕は編集方針が異なる二つ以上の媒体を常に読むことを勧めています。
そのひとつのオススメは、ニューヨークタイムズ(国際版)です。
ニューヨークタイムズとニューヨークタイムズ(国際版)は、名前こそ同じですが、まったく別の新聞で、 ニューヨークタイムズ(国際版) はもともとヘラルドトリビューンという別の名前の新聞の名前が変 わったものなんです。
ですので、いまもメインの編集部はニューヨークではなくパリにあります。
また、スペインの新聞El Paisの英語版も面白いですよ。
英米と言説がまったく違います。
『高城未来研究所「Future Report」Vol.291』(2017年1月13日発行)
なお、ニューヨークタイムズ(国際版)は、日本からは下記から申し込める。
最新の情報をどこで入手するのかは引き続き検討が必要である。ニュースピックやThe Economistも良さそうだ。
ニュースピックが良くないのは、デジタル空間に情報が配置され、全てを読むことが前提になっていないこと。また、1日の中でも、次々に情報が更新され、ニュースピックに脳が依存することになってしまい、生産性が落ちるように感じる。デジタルで情報が発信されるサブスクリプション型(Netflixや雑誌読み放題サービスなども含まれる)のサービスの欠点は、そこにある。
したがって、紙の媒体をメインに置くべきだと思う。